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モンゴルの弓

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モンゴルの射手たちは、弓の扱いにとても神経質である。

弓を常に屋外で使用することや、その価格が平均月収に届きそうなほど高価なことも
理由としてあげられるが、やはり自然素材で作られた弓は、精度維持や管理面で
より細心の注意と手間を必要とする。

特に競技中は弓のへたりを避けるため、不用に弦をかけておくことはせず、
射位に立つ毎にこまめにかけ直したりする。

また、モンゴル弓のような角や腱などを膠で貼りあわせた合成弓にとって、
熱と湿気は大敵である。
夏季に温湿度が高くなると、角や膠が柔らかくなり、
弓が弱くなって矢飛びが落ち、変形しやすくもなる。
反対に、温湿度が低くなると角や膠も硬くなり、弓の強さが増す。
このように気候の変化が直接弓にあらわれてくるので、
彼らはどうしてもそれに敏感にならざるを得ない。

あるとき、私が弓を草の上に無造作に置いたのを一人の射手が見つけて、

「草の上に弓を置くな、湿気てしまうぞ!」

と、教えてくれたことがあった。
モンゴルの草原に訪れたことのある人なら知っていると思うが、モンゴルの草は
まるでフェルトをほぐして散らしたような頼りないもので、近くで見ると
地面が透けて見えるほどである。
しかし彼らは、そんなか細い草が含んだごく僅かな水分でさえも、
目をつぶるわけにはいかないようである。

弓を手に持たないときは、弦を外し、握り部のあたりに紐を結んで
日陰で宙吊りにしておくのが良い。こうすれば草の湿気にさらされないし、
へたに立てかけて変形させてしまう心配も無い。

射手が集まると、
まるで吊るし雛のように一本の紐に弓がたくさん繋がっていることもある。


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