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Харваач ! XXV

タヒの群れ2.jpg

2タヒの親子.jpg

ビジターセンターに戻る途中、見晴らしの良い場所に車を止めて、持ってきたパンとハムで簡単な昼食をとった。
モンゴルのパンはどれも硬くてボソボソで、あまりおいしいとはいえないが、反対にハムやソーセージは抜群においしい。そこは肉を主食とする騎馬遊牧民族のセンスだろうか。ハムはムンクさんが数ある中から選んで買ってくれたもの。味わいながらムンクさんにあらためて礼を言うと、ウヌルさんが私の耳元でコソッと、

「もっとおいしいのがあるのよ」

まぁ、どこの国も女性は食べ物にうるさい。

ビジターセンターでナドメッドさんに別れの挨拶をし、フスタイを後にした。
私はタヒを見るという目的を果たしたはずなのに、なぜか未だ物足りなさというか、空しさみたいなものを感じていた。そもそも、どこまで本気でタヒを見たかったのか…。
ウランバートルに戻っても、報告すべき相手はもういない。あのインターネットカフェでの出来事を思い返して、

“これで気が済んだだろう…”

自分自身にそう納得させるほかなかった。

傾きはじめた陽の光が、広大な大地の寂しさをより際立たせている。
あいかわらず単調な景色が続く中、時おり、白いゲルと家畜の群れが現れては後ろに流れていった。
ちなみに、ゲルとは遊牧民の移動式住居のことだが、ほかにパオとも呼ばれている。が、実は、パオというのは中国人からの蔑称なのだそうだ。包物という意味で、“あんなのは家とはいえない”という含みがある。だからこの地でパオは禁句である。

車中の静かさにふと気が付けば、ウヌルさんもエルデネも寝てしまっている。
長距離ドライブで疲れたのだろう。聞こえるのは、窓から入る風の音、ディーゼルエンジンの音、乾いた地面を蹴るタイヤの音。
しばらくして、さすがにムンクさんも沈黙に耐えかねたのか、どこかのゲルで飼われているのであろう犬をみつけて、

オオカミ!オオカミ!」
「えっ!?ムンクさん、ストップ、ストップ!」

私はすっかり真に受けて、あわてて“オオカミ”にカメラを向けたが、

「キヒヒヒ」

ムンクさんの意地悪そうな笑い声で気が付いた。
いつの間にか起きていたウヌルさんも、後ろで笑いたいのを堪えている。
私はムッとしたふりをして、

「まったくもう…」

味を占めたムンクさん、それからも犬を見つけては、

「オオカミ!」

そのたび私は、「ワォ!」「はいはい」などと、適当に相槌を打った。

オオカミ?.jpg

私のカメラに捉えられた“オオカミ”?

hustai.jpg



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